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業界動向

2024.05.31
半導体各社がエッジAIに注力 自転車から工場設備まで幅広く AI・人工知能EXPO【春】に各社積極出展

半導体各社は、外部との通信に頼らず末端の電子機器でも動作するエッジ人工知能(AI)向け製品を投入している。自転車のパンク防止から工場自動化(FA)まで幅広い用途に応える。22~24日に開催された「AI・人工知能EXPO【春】」(東京ビッグサイト、東京都江東区)には米国エヌビディアと商社のマクニカ、英国アーム、ルネサスエレクトロニクス、スイスのSTマイクロエレクトロニクスなどが出展した。エヌビディアとマクニカは、片手で持てるサイズの筐体(きょうたい)にCPUやGPUなどを詰め込み、生成AIを搭載できる「NVIDIA Jetson AGX Orin 64GB」開発者キットを展示した。2023年発売の製品。デモでは「画像を説明せよ」と文章で指示すると、近づく来場者をカメラで画像認識し「眼鏡の男性、スーツを着ている」などの文章を即座に生成した。アームは、AIの処理速度を高める「Helium(ヘリウム)」技術などを採用したプロセッサーとそれを生かした各社のマイコンを並べた。サーバーや車載向け高性能製品で稼ぐ同社だが、日本法人の望月裕介氏は「マイコンは重要な市場」とエッジAI対応の意義を打ち出した。ルネサスは、ヘリウムを採用したアーム製「Cortex-M85(CM85)」プロセッサーを搭載したマイコン「RA8D1」を展示。従来の「CM7」プロセッサー搭載品に比べ4倍高速の処理が可能で、顔認証やよそ見防止機能を備えたドライブレコーダーや、人物の一部が映るだけで検出できる工場用監視カメラなどに使える。STマイクロの展示の目玉は、電動アシスト自転車「ティモ・A」の実機だ。同社製汎用(はんよう)マイコン「STM32F3」と組み込みAI開発ツールをパナソニックが採用。空気圧センサーなしでタイヤの空気入れの時期を判断し、低コストでパンクを防ぐ。来場者の熱心な質問に応対したSTマイクロ日本法人の米丸朋宏氏は「大規模な計算資源を必要とせずAIに何ができるかを見せられた」と述べた。

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