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業界インタビュー

2020.09.04
【日中半導体業界インタビュー】株式会社BBS金明 金指常務取締役

 この度、日中半導体協会は株式会社BBS金明(以下「BBS金明」)の金指幸夫常務取締役に取材を行い、BBS金明の事業内容と中国市場の進出について伺いました。詳細インタビューは下記です。

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――御社の経営理念と事業内容をご紹介ください。

金指 「時代をつかむ、技術革新、そして未来を創造する」という経営理念のもと、私たちはこれからもお客様の視点に立ったソリューションを生み出していきます。

 社名のBBS金明の「BBS」とは、Building Block Systemを略したもので、加工専用装置体系の一種です。一つの部品のための専用装置をつくることではなく、その部品も含めて想定されるあらゆる種類の部品加工ができる専用装置体系を設計しておき、すべての部品の加工は、その専用装置の体系に当てはめて専用装置化するという考え方です。「金明」は金沢を明るくするということから、世界の未来も明るくしたいことは私たちの志です。

BBS金明の事業は大きく分けると、「半導体関連装置」「クリーンエネルギー関連装置」「工作機械関連装置」の3つの領域を柱とし、それぞれの分野でお客様のニーズに迅速・的確に応える装置の開発、製造を行っています。

 

――御社は中国市場における事業の沿革をお教えください。

金指

1956 年に石川県金沢市で創業し、「金沢を明るくしたい」との思いを込めて付けられた社名「金明工鐵」としてのスタートでした。

1978 年より専用機械の製造を開始しました。

1985 年には現在の白山市に工場を全面移転し、社名を「BBS金明」と変更されています。

1989 年よりNC両頭フライス盤の製造・販売を開始しました。

1999 年にシリコンウエハーエッジポリッシングマシンなどの開発・製造・販売を行い、現在まで400台以上の納入実績があって、直近中国メーカーへの納入台数は50台を計画しています。

1999 年にISO9001を認証取得しました。

2005 年にISO14001を認証取得しました。

2006 年には、創業50周年を迎えました。

2009 年よりPVインゴットグライディングマシンの製造・販売を開始しました。

2010 年にPVインゴットグラインディングマシンを中国メーカーへ初号機納入して、中国市場のスタートでした。以降、中国メーカーへの納入実績は約300台です。

2010 年に現在の新社屋に移転しました。

2018 年には第4工場を竣工し製造体制の強化を図ります。

以来現在に至るまで、未来を前進させる新しい技術を創造するべく事業活動を続けています。

 

――中国市場に向け、御社の主力製品と技術をご紹介ください。

金指 「半導体関連装置」は技術革新が進む半導体分野において、常に最新かつ高品質の装置を開発し、提供しています。また、数々の特許技術を取得した「シリコンウエハーエッジポリッシングマシン」は世界トップシェアを獲得しています。

 「クリーンエネルギー関連装置」は半導体製造装置で培った技術をもとに業界最速・高精度・低CoO を実現しています。技術の発展が著しい太陽光発電分野にも対応し、次世代の太陽電池製造装置の研究・開発を行っています。当社の代表的な装置である「PVインゴットグラインディングマシン」は、国内外において多くの納入実績を誇っています。

「工作機械関連装置」は自動車生産に関わる各種専用加工装置をはじめ、一般工作機械、特殊専用機械など、多様なニーズや高い要求仕様にも応えてきました。さらに近年では、航空業界を中心に導入が進む5 軸パラレルキネマティクスマシンやモバイル端末における光学フィルム端面加工機の装置開発も手がけており、幅広い分野に技術提供を行っています。

 

――どのような方法やルートを通して中国市場に進出していますか。

金指 大きく3つのルート分け中国市場に事業展開しています。

 1つ目は、5大シリコンウエハメーカーへの実績と高い信用を得ていることで中国メーカーへ反響で進出しています。2つ目は、中国現地に支社と拠点を持っていないため、高い営業力やメンテナンスサービス力を持つ中国エージェントの協力を頂いて展開しています。3つ目は、SEMICON CHINAを代表とした各種展示会への出展も行い、自社製品をアピールして市場を開拓しています。

 

――米中貿易摩擦と日中友好の環境のもとで、中国市場に対する施策、展望と期待をお教えください。

金指 米中貿易摩擦や新型コロナなどの短期的な問題による不透明感がありますが、半導体など装置需要は根強いと見ています。一方、中国の市場が益々成長していくため、日本企業はアメリカと中国を両方配慮しながら中長期的な市場成長を期待できます。そのため、私たちは中国市場に対しては更に中国半導体の国内生産に寄与したく、最先端技術を紹介していきたいと考えています。

 但し、中国に技術と製品を提供する際に、知的財産保護という考え方が中国にまだ乏しいことが懸念しています。この方面の改善がなければ、日本も含む海外から中国市場に最先端技術を提供できなくなる恐れもあります。

 

――「一般社団法人・日中半導体協会」について、ご要望やご助言などをお教えください。

金指 「知的財産権」に対する意識と保護方針を中国に広げることが非常に重要だと思います。数多くの海外メーカーに対して、自社特許技術が漏れたり、製品がコピーされたりするリスクと心配があり、最先端技術を中国に提供しにくく、中国市場のハイエンド技術及び製品の発展に対して不利な影響が与えて続くと考えられます。

 一方、新型コロナウェルスの検査体制の整備を充実することを期待しています。現在、新型コロナの影響によって現地据え付けが難しくなって、現地法人を持たない会社に対する厳しい現状です。それによって、中国に渡ったりすることも徐々に揃いことも可能になり、新型コロナウェルスの検査体制の整備により越境も可能になっていくと期待しています。

(聞き手・張 記者)

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